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新しい視点で拓ける活動をめざす NIPPON ROUTYOU

活動報告report

2016年8月27日~28日日本労釣協第5回総会が開催されました


 日本労釣協の総会は、上田の鹿教湯温泉で開かれました。参加したのは3会でしたが、それぞれの会の活動と協議会の活動について交流と意見の交換をしました。釣り場環境がますます悪化していることや、活動の難しさが指摘されました。釣り活動が政治の動向に深くかかわっていることが再確認され、活動を続けていくための方向と可能な方策を、交流会も含めて「熱く」語り合われました。

日本勤労者つりの会協議会第5回総会活動方針

1.報告・釣場を巡る状況
 水環境の水質汚染・釣場減少の経緯は、前回総会報告を参照します。それを受けて、この二年間の状況の変化を見て行きますが、あくまでもわたしが見聞きしたものに限っています。不十分な点は、皆さんからの報告に待ちたいと思います。
 一つに、依然として福島原発事故による放射能水質汚染が続いています。破壊された福島原発からの汚染水の海洋流出は完全に止まってはおらず、その根本的改善対策も不十分なままです。そして河川の放射能汚染は依然として強く、未だに出荷制限を受けている内水面漁業は、東電からの遺失利益計算による賠償金に依存しています。ちなみにわたしが准組合員として所属している千葉県香取市与田浦の佐原漁協の様子は以下です。
 
組合員各位 
 東京電力平成25年度分行使料(漁種料)について
損失利益計算(賠償額)より牡蠣の金額が平成26年12月11日に入金しました。行使料合計418,000円に対して74%の309,320円の賠償額が入金しました。平成27年度の行使料は差額の26%を徴収いたします。
 ※行使料
 (つくし針・丸筌・竹筒漁業)
   行使料2,000円  東電入金1,480円  差し引き徴集金520円
 (はえ縄・追い出し・投網・おだ料漁業)
      3,000円      2,200円         780円
 (長袋網) 
      4,000円      2,960円       1,040円
 (袋網・張り網漁業)
      5,000円      3,700円       1,300円
 (刺し網・流し網)
      8,000円      5,900円       2,080円
 
 わたしの行使漁法は「つくし針」ですので、賦課金は、組合費2,000円+漁種料520円+手数料300円、合計2,820円となります。
 このように原発事故は長年にわたり釣り環境に放射能汚染をもたらしました。東日本大震災被災地は、津波に加えて放射能汚染の追い打ちをかけられ、未だに林業・内水面漁業・海面漁業・農業など復興に至っていません。当然釣りもままなりません。
 3月21日に行われた「3.11から考える釣りと環境シンポジウム」(福島県で釣りを楽しむ会)では実際に福島県川内村木戸川や毛戸川のヤマメやイワナ釣りを通して山間の渓流魚の放射能汚染が高いことが報告されています。しかしながら原発は各地に存在し、再稼働を狙っています。再びこのような事故に見舞われたのなら、わたしたちの釣り環境は取り返しのつかないことになるでしょう。脱原発に関する取り組みが注目されます。
 また、わたしは「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の「福島の切り捨てを許さない」の新聞意見広告に協力しました。多くの支援により去る1月20日福島民報と福島民友二紙の朝刊に掲載されました。
 わたしは、神奈川県川崎市のNOP法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所の正会員です。年間5,000円を出資することにより、民間の屋上を利用して太陽光発電所を作ろうと言う運動で既に2ヶ所の発電所が稼働しています。原発再稼働に反対すると同時に原発に替る自然エネルギーを生かす道は、釣り環境の保全に繋がります。
 二つに、地元の方々と釣り人の協働です。おそらく各地にその実践がなされていると思いますが、わたしが所属している「津久井湖の自然を守る会」(宮崎正雄会長)地元の方々と津久井湖に流れ込む清流道志川を釣り場にしている釣り人が構成する会の活動を紹介します。
 ダム建設に伴い津久井湖のバックウオーターは、漁業権が無くなり、釣り人の無法地帯と化していた時期がありました。会は県との交渉により、県条例に基づき鮎の解禁・禁漁を知らせる掲示板の設置や、清掃活動への補助金の要求などを行い、釣り人と一体となり河川の自主管理を行っています。
 さらに年に春・夏・秋三回の定期河川清掃会を行っており、7月24日の清掃活動にわたしは参加しました。40人が朝早くから釣り場周辺の道の草刈り、河原に繁茂する外来植物の駆除、河原のゴミ収集を行いました。その後地元の方々の協力でそうめんと冷たいお茶で懇親を深めました。
 しかし残念な事には、釣り人の参加はわたし一人でした。また、きれいになった河原は、昼からやって来た心ない釣り人によって再びゴミだらけになっていた事です。
 三つは、日本の生態系を守る取り組みです。「ブラックバス防除市民ネットワーク」については、パンフレットを送りましたのでご存じと思いますが、これに止まらず各地の小さな取り組みの広がりを感じます。神奈川県では県立三ツ池公園内の池の外来種駆除活動は、テレビなどの報道で広く知られるようになりましたが、わたしの住んでいる神奈川県横浜市緑区の竹山団地の池も新たな動きが始まっています。
 池の在る大型団地としてかなり有名です。注目されるのが竹山池の生態系調査、それに伴う外来生物駆除活動です。小学校四年生の環境教育の一環としても取り組まれ、日本固有種の魚や水生生物を調べ、その問題点を見つけ、次の活動に発展させています。それは年に2回行われた外来魚駆除つり大会の実施でした。今年の5月の2回目の釣り大会では、25組の家族、子ども会の親子たち、腕自慢の大人たち総勢90人近くの皆さんが、釣りを楽しみながら外来魚の駆除に取り組みました。駆除されたものはブルーギル・アカミミガメなど、在来種は鯉・すっぽん・イシガメ・クサガメなどが確認されました。
 事前には昨年の11月に池の水位を下げ水生生物の捕獲を行い、在来種(モツゴ・ヨシノボリ・スジエビ・クサガメ・イシガメ)、外来種(ブルーギル・ヒゴイ・アカミミガメ・草魚)が確認されています。これらの活動は竹山連合自治会・竹山池周辺活性化推進委員会が行っています。残念なことに竹山池は建設計画は水辺で遊ぶことを考え、先進的親水護岸設計がされているにもかかわらず安全を重視して釣り禁止・水辺への接近が禁じられています。
 四つには、身近な釣り場再生の取り組みです。宮城県大崎のNOP法人「田んぼ」は、冬でも水を田圃に張る「冬水田んぼ」運動を進めています。これによって水生生物が安心して冬を越すことになり、田んぼの生態系を豊かにすることができます。これによって蛙やタニシ、メダカや鮒など魚もその産卵場所と稚魚の生育場所が確保されます。さらには田んぼの排水路と水田との段差をなくす水田魚道を作る取り組みも報告されています。これにより排水路と水田が繋がり、水田に遡上して産卵する鯰や鮒等の産卵場所と稚魚の生育場所が一体となり、かつての田圃の生き物の賑わいを戻すことができます。
 現在、各地の鮒釣り場が衰退する原因のひとつに、排水路と水田の断絶が在ると考えられます。排水路は、産卵と稚魚の生育と成魚の暮らす場所が同じになることから、外来魚の食害に逢うことになっています。幼魚が一定の大きさになって排水路に戻るのなら、外来魚からの食害を減らすことが期待されます。
 稲作に適応して進化してきた眞鮒は、水田の用排水路の改善なくして復活の道はないでしょう。鮒つり大会の折に、kさんとyさんから同じことを訊かされました。
「私が入っているのは釣り団体だよね。釣り大会も良いけれど、与田浦の鮒は危機的だよ。土地改良区や農協に働きかけて利根川の良い水を通すことをしなくちゃ」と。今後は農協や内水面漁協さらには、土地改良区事務所などとの協議が必要になります。
 五つに、都市河川における親水護岸の建設です。水質汚濁法の制定によりかつての汚濁した水域はほとんどなくなり、その水質はヤマメが生息できるまでになりました。しかし護岸は高く、水辺は鋼矢板が打ち込まれ、水辺に近づくことができなくなりました。わたしの住む横浜の例を報告します。
 横浜駅の下を潜って横浜港に流れ込む帷子川中流に、川辺町親水護岸できました。階段状の岸が水辺まで続いており安心して水に親しみ、釣りができます。保土ヶ谷区年金者組合のサークル活動の一環としてつりクラブが生まれ、秋にはハゼ釣り会、初夏にはテナガエビ釣り会が開かれるようになりました。さらに上流には大量の鮎の遡上があり岩盤状の底にきらめく若鮎の姿が見られます。残念なことに川に降りる施設や河原が狭められているために自由に鮎釣りができません。
 次は、鶴見川中流鴨居周辺の鮒釣り場です。JR鴨居駅北口の鴨池橋際に小さなワンドが造られ、座り込んで竿が出せるようになりました。未だまだ真鮒の魚影は濃くはありませんが、安全に鮒を釣る場所が出来ました。
 最後に、海の様子についてわたしの感じていることがあります。
 まず、東京湾の白鱚釣りですが、通年乗合船が出ています。特に秋から冬早春まで、深場に落ちた大型白鱚の大釣りが報告されます。そしていよいよ初夏白鱚釣り本番となる時期に、急に釣れなくなります。いくら東京湾が豊かで、魚の繁殖が盛んとはいえ、これ程の漁獲に白鱚資源の減少を心配してしまいます。これと対照的に相模湾漁協は、9月から翌春までを白鱚釣りの禁漁期として、ピンギスと大型白鱚の保全を行っています。
 次に、横浜の鯊釣りについてです。横浜の真ん中を流れる大岡川を中心とした鯊釣りは、昔から盛んでしたが、都市の整備が進んで護岸が高く、フェンスが設けられて竿を出すことが難しくなりました。同時に町中がインターロッキングされ、雨が降っても濁り難くなり、泥が河口に供給されなくなりつつあります。その結果大岡川河口山下旧貯木場や掘割川河口根岸湾などの落鯊釣り場は、釣れてくるのはメゴチや飯蛸、そして白鱚に替っています。深い泥底が鯊の住処ですし、産卵の場所でもありますから、将来が心配されます。唯一鶴見川河口は、上流にまだ緑が残されているために雨が降れば濁ります。秋口から年末いっぱいまで鯊釣りが楽しめています。

 以上述べたものは私が知り得ている情報です。おそらくは全国各地ではこのような変化や取り組みが、生まれていることは想像に難くありません。わたしたちは、釣り場の復活のために、こうした釣りと水辺に関する情報を交換し合わなくてはなりません。かつて公害問題が大きく広がっていた東京都において「労釣護岸」運動があったことを忘れていました。釣場の衰退は極まりました、全国の教訓を集めて、新たな運動のきっかけにしたいと思います。

報告 略
 
3.活動方針案
 ①水域や魚の放射能鵜汚染をもたらしかねない、原子力発電に反対します。
 ②釣場を破壊し、生態系の改変を余儀なくするダム建設や大規模な水系の変更に反対します。
 ③身近な水域を水に親しめるよう改善することを要求しましょう。(新)
 ④日本在来種の生態系を撹乱する外来魚の不法放流に反対します。
 ⑤つりの会の問題を考え、運営上の工夫を交流しましょう。
 ⑥環境団体・地元の方々との協働による釣り場の保全に努力しましょう。
 ⑦日本労釣協の日常的運営に努めましょう。
 ⑧個人会員の拡大に努力しましょう。

総会と交流会



日本労釣協主催のアユ釣り交流会は9月5日(土)~6日(日)に福井県九頭竜川で開催されました。東京から3名京都から3名の参加でした。
細  野  京 都  7 足羽川
和  田  京 都  4 勝 山
木  村  京 都  3 勝 山
菅  谷  東 京  7 谷 口
大  島   東 京 12 谷 口
竹  藤   東 京 17 谷 口

 7月26日の戦争法案に抗議する集会に、高崎労釣から30名が参加し、日本労釣の会員も10名が「平和あってこそ釣りができる」として行動を共にしました。
 <日本勤労者釣りの会>の旗を珍しそうに見ていく人も多くいました。「釣りの会も参加しているよ」の声が聞こえ、旗を持ってきて良かったと~。

国会議事堂南通用門前で







2014年8月30日~31日、日本勤労者つりの会協議会第4回総会がもたれました。




日本労釣協-全国アユつり交流会-矢作川で

活動報告写真

*期日:2013年9月14日(土)、15日(日)
*開催場所:愛知県豊田市「矢作川」
*参加者:京都労釣会2人、浜松労釣会1人、横浜労釣  会2人、東京労釣連7人(板橋1人、港2人、国鉄1 人、渋谷1人、つりてんぐ1人、練馬1人)
*日本労釣が結成されて2 年前天候不順で中止となった交流つり会でしたが、今回初めての「全国アユつり交流会」として、9月14 日(土)15 日(日)愛知県矢作川で行ない、3 会1連合会が集まりました。
*アユ釣りの方はベテランの方々も不慣れな川と言うことで苦戦しましたが、夜の交流会では、 矢作川漁協の前組合長の新見幾男さんからダムが多く水質が悪化し、一時アユ釣りが出来ない ような状況から、愛知県の貴重なアユ釣り場として復活させた経験などをユーモラスに語って 頂くなど、大変貴重なお話を聞くことが出来ました。
*しかし、今回の交流つり会は、会独自の取り組みと日程が重なるなどの他、距離的に交通費の 問題や釣り種目など、取り組みには課題ありと思いますので、今後の取り組みは、来年の総会 で相談しながら更なる発展を目指して取り組みを強化したいと思いました。


-全国アユつり交流会釣果-
氏  名 所属  釣果(尾) 釣り場・備考
和田三郎 京都     9    笹戸大橋
吉田 貢 東京・板橋  8    学校下
山岸一雄 東京・練馬  7    学校下
竹藤 敦 東京・国鉄  6    学校下
大島 肇 東京・渋谷  5    学校下
菅谷重成 東京・てんぐ 4    学校下
小松絹江 東京・港   4    学校下
TH   横浜     3    笹戸大橋・約2時間の釣り
細野 昭 京都     1    笹戸大橋
畑野和博 横浜     1    笹戸大橋
秋山雄司 浜松     釣りせず
小松 壽 東京・港)  釣りせず


2012年11月11日、朝日新聞に「原発即時ゼロの決断を!」意見広告


2012年8月日本勤労者つりの会協議会第3回総会がもたれました。

(編集中)呉で開催されました。


編集スペース

(更新予定)

2011年7月、「自然の中で安心して〈釣りスポーツ〉のできる日本を」を発表しました。

 3月11日、東北地方太平洋沖地震および大津波による多大な被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復旧を願っています。

 私たちつり人は、鮎の解禁日を心待ちにしていました。しかし、福島原発事故による放射能禍は、福島県全域の水域を襲い、鮎をはじめとして多くの釣り対象魚を汚染していました。福島県では、鮎の解禁ができない事態となり、内水面漁協と釣り愛好者を落胆させています。

また、その周辺地域にも、放射性物質の汚染への不安の声が上がっています。子どもたちは広い野原を駆け回り、つり人は自然の水辺で思い切り竿を振りたいのです。また、4月4日には、福島原発施設内の放射能汚染水を、漁業者に相談もなく、東京電力は海に放出してしまいました。大気に加えて海域への放射能放出は、海産物への大きな被害を生み、全国漁連は、東電に対し抗議を行いました。漁業のみならず、茨城県沖は魚種豊かな遊漁の盛んなところでもあります。釣り愛好者の船釣りも、安心して楽しむことができなくなってしまいました。

 先日議決された「スポーツ基本法」には「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利である」と明記されました。高濃度の放射能のために屋外に出ることができないのみならず、避難区域外といえども低線量被曝を恐れ、釣りもままならないとしたら、これはスポーツする権利が奪われたことになります。

 振り返れば、私たち日本国民は「高線量短期被爆」をヒロシマ・ナガサキで体験した唯一の民族です。さらには第五福竜丸乗組員が水爆による“死の灰”を浴びた国でもありました。そして今回の福島原発事故は「低線量長期被曝」、被災から4カ月になろうというのに、未だに放射能放出が続き、その収束の見通しも立っていません。「低線量長期被曝」は私たちにどのような災いをもたらすのでしょうか? そして将来にわたってどのような不幸を生み続けるというのでしょうか。

 今回の原発事故は、私たちつり人の楽しみを奪ったにとどまらず、将来ある子どもたちに、人類がこれまでに味わったことのない病魔をもたらすとしたら、こんな恐ろしいことはありません。一刻も早い放射能放出の終息と、被災者への直接的な救援を東電企業と国策として原発推進を行ってきた政府に対し要求します。

 我々は、将来に向けて、安全で安心して自然の中でスポーツが楽しめる日本国であることを願っています。そのためには、これほどまでにリスクの大きな原発依存を止めなくてはなりません。人間は自然の中でこそ自由であり、自己を表現できるのです。地球の進化の中で未だかつて存在したことのない物質を作り出し、これに依存して自然をないがしろにする生活から一刻も早く抜け出さなくてはなりません。現在の楽しみと、未来の希望のために。

2011年7月
                            日本勤労者つりの会協議会


編集スペース

(更新予定)